ペットロスとは
ペットロスとは、
大切なペットを失ったときに感じる深い悲しみや喪失感のことをいいます。
けれど実際に経験した人にとっては、ただ「悲しい」という言葉だけではとても言い表せないものかもしれません。
ペットはただの動物ではありません。
毎日一緒に暮らし、
同じ空間で時間を過ごし、
食事や眠りや日常を共にする存在です。
多くの人にとってそれは家族であり、子どものような存在でもあります。
だからこそ、その別れは友人や知人を失う悲しみとは少し違う、
もっと深いところに触れる痛みになることがあります。
ペットロスを経験した人の心には、ある共通した思いが残ることがあります。
それは
「もっと愛してあげられたのではないか」
という気持ちです。
もっと遊んであげればよかった。
もっと一緒に寝てあげればよかった。
もっといいご飯をあげればよかった。
忙しい日々の中で
私たちはただ「普通に」生活しています。
けれど、その普通の日々をあとから振り返るともっとできたのではないかと思ってしまうのです。
どれだけ愛しても
「これで十分だった」と
胸を張って言える瞬間はきっとありません。
愛情には100点がないからです。
以前、一匹の小さな捨て猫と暮らしていました。白と黒の模様で、顔がきれいに半分に分かれているやんちゃな女の子でした。
近所の子どもたちに遊ばれ、カラスに狙われていたその子を思わず家に連れて帰りました。
元気いっぱいで部屋の中を走り回り、朝になるとキャットタワーからお腹めがけて飛び降りてきます。キャンプにも一緒に行きました。テントを離れてどこかに出かけ、夕方には帰ってきて夜は一緒に眠りました。
その子のYouTubeがテレビに出たこともあります。
たくさんのアクセスがあり、小さな猫なのに自分でお金まで稼いだちょっと特別な子でした。
でも、13歳のときに病気になり静かに旅立っていきました。
そのあとに残ったのはたくさんの思い出と、そしてやっぱり
「もっとできたのではないか」
という気持ちでした。
ペットは「幸せだったよ」と言葉で伝えてくれることはありません。
だからこそ人は何度も思い返します。
あの日のこと。
一緒に過ごした日々のこと。
大切な存在を想い続けることは
決して悪いことではないと考えています。
忘れることだけが前に進む方法ではないからです。
思い出をそっとそばに置いておくこと。
小さな場所にその子の居場所をつくること。
それもまた
悲しみと向き合う
ひとつの形なのだと思います。